無花果、イロイロ

Published on: 11月 09 2012 by Shokolat

無花果シーズンも終盤戦。今年こそは!と手に入れた、とある無花果。
折角なのでいちじくを3種、比較してみました♪


普段よくお店で見かける無花果は 『 桝井ドーフィン 』 がダントツで多いと思います。
かく言う私も、数年前までは無花果=桝井ドーフィンの1択でした・・(苦笑)

その後、この島内で栽培・販売されている 『 小木ビオレー 』(ビオレ・ソリエス)と言う品種に出会い。
そして昨年 『 日本いちじく 』 (蓬莱柿-ほうらいし)に出会いました。

ですが・・。実は昨年は入手に失敗し(どうも数が足りなかったそうで・・)今年こそは!と、注文。
無事に入手出来たのであります。
ん~♪ 念願の無花果さん♪♪

ではでは、まずはこちらを。この目の覚めるような素敵なお色!
これ、無花果100%なんて思えませんよね。手前の赤いコンフィチュールが、その 『 日本いちじく 』 のみで作ったコンフィチュール。
黒い粒々はバニラビーンズ。無花果+バニラの組み合わせは、私のコンフィチュールでは定番です。

こちらは2種(3種?)比較です。中央がよくお店で見かける桝井ドーフィン100%。
左が日本いちじく100%、右が桝井ドーフィン8+日本いちじく2くらいのブレンド。
少し足しただけでこれだけ赤い日本いちじく・・恐るべし。

こちらも2種比較で、左がビオレソリエス、右が桝井ドーフィン、共に100%です。
写真では少しわかりにくいかもしれませんが、ビオレソリエスは日本いちじくに比べて紫掛かった赤色になります。
この比較は過去行なったときの写真なんですが、赤色になったコンフィチュールに衝撃でしたね~。

コンフィチュールが何故あそこまで赤いのか!と、検証の為に、生の状態でサックリ。
ご覧の通り、桝井ドーフィンよりひとまわり小さい日本いちじく。
色味も見比べてみると、日本いちじくのほうが赤みが濃いのがわかります。白い部分が少なく、皮に近いギリギリまで赤い部分が多いですね。
対して、桝井ドーフィンは大きさもひとまわり違いますが、果肉の白い部分が多くなっています。

時期が前後しますが、以前も コチラ で登場しております、クロ無花果こと、ビオレソリエス。
比較画像ではないのでわかり辛いかと思いますが、このビオレソリエスと日本いちじく、形や大きさはほぼ同じく、でして。
果肉の様相も似ているのがわかるかと思います。そう、桝井ドーフィンよりも赤いですよね。
日本いちじくとの違いは、皮の色もさることながら、なんと言っても糖度!ですね。
ビオレソリエスは糖度20度を超えており、こうして蜜が滴るほど・・なのです♪

さて、こうして3種並べてみたところで、各無花果の特徴と生の状態での味の比較をまとめてみます。

・ 桝井ドーフィン : 明治42年に広島の桝井氏がアメリカから日本に持ち帰り、栽培のしやすさと日持ちのよさから全国に広まったそうです。
食味としては、ほどよい甘みでさっぱりとした風味。均整の取れたバランスのよいお味かと思います。一方で、バランスは良いけれど甘味も風味もさっぱりめ=弱い為に、ぼやけた印象も。

・ 蓬莱柿(ほうらいし) : 370年ほど前に中国から伝わったといわれる品種で、日本に定着して長いので 『 日本いちじく 』 とも呼ばれるそうです。
主に関西以西で栽培されていること&お尻が割れやすいので日持ちが悪いことを理由に、関東方面ではあまり出回らないとか。
なるほど、だから今まで出会わなかったのですね・・。ちなみに私が購入したものは新潟県産。
食味としては、純粋、と言う感想が1番しっくり来ます。甘みはドーフィンより少し、すこし酸味があるのでバランスはドーフィンに劣りますが素朴な美味しさがあります。

・ ビオレソリエス : フランス原産の品種で、果肉が柔らかく糖度が高いのが特徴。病害虫に弱く、収穫量も多くないために流通量も少ないのだそうです。また、日本での栽培地も少なく、佐渡島内でも小木地区だけでしか栽培されていません。
果皮の色は深い紫色=クロに近い色をしていて、この色はアントシアニン(ブルーベリーのそれ、ですね)による物のようで、焼きこむタルト系に使用すると灰色になっちゃいます。
食味としては、その糖度の高さ(20度)にまず驚き、風味も濃く酸味は殆ど感じられません。

生の状態でもこれだけ差のある食味ですが、火を通すとまた更に差が広がります。
ただ、使い道によってはビオレソリエスは味が濃厚すぎてしまう場合もありますし、桝井ドーフィンのみだとぼやけた印象にもなります。
最終的には使い方や好みもあると思いますが、どの品種で何を作るのがベストか。
これ、探っていくのもまた楽しそうですね^^

でもやっぱり、無花果と言えば・・タルトが好きだな~♪
(過去写真ですが・・ペタリ。懐かしい・笑)

今回3種比較をして見ましたが、もっと比較してみたーい!アレとかコレとかも気になるー!
・・なんて、他品種に目をつけつつ(笑)
いじちくって条件によっても食味が変わる様で、味もばらつきが多いフルーツな様です。
流通があるかはともかく、最近では外来種も多数導入されているようで、糖度が30度もある無花果もあったり(!)と、追い続けるとキリがなさそう(苦笑)

日夜増え続ける新品種、素材の研究も大切だけれど、深追いも程ほどに・・ですねぇ。

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