まさかこんな背徳的且つ罪深き菓子を作ってしまうとは。
自分で言うのもなんですが、悶絶しました。
少し前にUPしていたエントリーを覚えていらっしゃいますでしょうか。
▲これこれ。この記事なんですけれど。
この時私は、贅沢な逸品を作ると予告しておりました。
毎度当Blogでお馴染み、毎度大騒ぎの最強イチジク様!!!
この無花果を使い倒してくれよう・・と言うのが今回の趣旨です。
というか、某相方に「全国のシェフ達が羨ましがる贅沢な奴作れ」などと言われたものでね、ええ。
おさらいをすると、この無花果の品種名はビオレ・ソリエス(Viollette de sollies)
フランスで古くから作られてきた品種ですが、病害虫に弱いことや収穫量も多くない事から、非常に流通量も少ないのだそうです。また、日本での栽培地も少なく、佐渡島内でも小木地区だけでしか栽培、出荷はされていません。
故に、幻のいちじくとも呼ばれたりします。
果皮の色は深い紫色=クロに近い色をしていて、この色はアントシアニン(ブルーベリーのそれ、ですね)による物のようで、焼きこむタルト系に使用すると灰色になっちゃいます。
食味としては、その糖度の高さ(20度)にまず驚き、風味も濃く酸味は殆ど感じられません。
この、我が愛する最強とも言わしめるイチジク様を。
まず前回、罰当たりにも黒いちじくでセミドライを作りまして。
こちらは毎年恒例ですが黒いちじく100%のコンフィチュールも炊きまして。
もう、この時点で既に背徳的且つ罪深き所業を繰り広げております。
が!
副素材が出来たなら、本番な訳です。
まずはタルトベースを作ります。
タルト生地は佐渡番茶の粉末を加えたものをフォンサージュ。(型に生地を敷きこむ作業の事)
そこへ黒いちじくのコンフィチュールを均します。
その上に、スパイスも加えたクレーム・ダマンド・ショコラを流しまして。
セミドライの黒いちじくを埋め込んで、焼成。
この辺でもうすでに黒いちじく祭り。
タルトの縁にチョコレートを施し、タルト上面にもう一度、黒いちじくのコンフィチュールをアンビバージュ代わりに均します。
段々「黒いちじく、黒いちじくってうるせー!しつこいよ!」とか聞こえてくる気がしたりしなかったり。
でも(゚ε゚)キニシナイ!!
突き抜けるよ!
さて、次は自家製のピスタチオペーストを加えたクレーム・パティシエールを絞ります。
この辺もう個人的嗜好。ピスターシュLOVE。
もうこの時点で間違いなく旨い。
しかし!これで終わるわけがありません!!
ナマも載せますよ、ナマも!!
佐渡産黒いちじくの悶絶タルト、完成。
自分で言うのもなんですが、これ、ヤヴァイです。
これはもうねぇ。発狂しますよ。
ビジュアルも素敵に仕上げられたし、こんなに黒イチジクって食べる前から悶絶でしょう。
上からの図もパシャリ。
贅を尽くしすぎて眩しい・・!
近頃はめっきりと素材に向き合えば向き合うほど、引き算を心がけて菓子作りを考えていたのですが、今回はあの手この手と大分足し算の感が否めません。
が、しかし。
食した相方様曰く、これは掛け算だという。
癖のある素材や組み合わせをすべて殺すことなく、お互いを活かし持ち上げ、ピタッ!とまとまり納まりました。
イロイロな要素が増える時は割と散漫になりがちなのですが、これはもうひとつの物に昇華したといいますか・・。
とても上品で美味でございました。
試食時、お互い唸りつつ遠くを見つめ、時より「やべぇ・・」と呟きながら味わう。
こんな体験、今までなかったかも!との有難いお言葉も頂戴しました。
とても手前みそですが、自分で作りながらも久しぶりに美味すぎて震えました。
勿論、これをまとめ上げた自分の技量も多少あるかもしれませんが、最もは佐渡の恵みが、生産者様が素晴らしかった。これに尽きます。
因みに、こちら商品化はしたくても価格的に恐ろしくてとてもとても出来ません!(笑)
流石に産地と言えども高級フルーツ。今回4号というミニマムタルトであったものの、原価でも遠い目なので売価計算したらとんでもないことになります。
それでもどうしても気になるぅぅ!という近隣にお住まいの方はお問い合わせください。(激しくドン引きされそうですが)
** ランキングに参加しています **
各バナーClickで投票されます。応援ポチ頂けると嬉しいです^^
** なにかと更新しております **
※ 当方はメールフォームからのケーキのご注文(発送等)の受付は行なっておりません。